2019/04/08 D1アカデミー定例会

2019/04/08 D1アカデミー定例会
元資源エネルギー庁 長官  江崎格氏 登壇

コモディティ・エクスチェンジ
日本の資源の価格安定はこうして生まれている
世界の価格安定のシステムを学ぶ

■ D1定例会 2019年4月 概要

  • 特別講師:江崎 格(えざき ただし)
  • 株式会社東京工業品取引所 顧問(元代表)・元資源エネルギー庁 長官
  • 特別プレゼンター:河原 由次(かわはら よしつぐ)
  • ネクストレベルホールディングス株式会社 代表取締役
  • 日時:2019年4月8日(月)
  • 会場:六本木アカデミーヒルズ
  • 主催:一般社団法人D1アカデミー

定例会レポート

江崎格氏が語る先物取引の歴史と現状

2019年4月の定例会には、元通商産業省の産業政策局長を務めた江崎格氏が登壇した。

NEXT No. 1: 短期人材派遣の新たな形

また、NEXT No. 1のコーナーでは、短期人材派遣会社ネクストレベルホールディングスの社長である河原由次氏が紹介された。河原氏の会社は、長期の人材派遣会社が主流の中、1日3時間からのスポット的な人材派遣サービスを展開し、総登録数100万人以上、取引企業数6000社以上に成長している。今後は、インターネット上のプラットホームの提供により、売上1000億円を目指しているという。さらに、ブルーカラーからホワイトカラー、専門職の副業探しにも職種を広げることで、試用期間や転職の際の働き方改革の引き金になる可能性が示唆された。

 

先物取引の始まりと発展

江崎氏は、通商産業省の要職を歴任した時代から、東京工業品取引所の代表を務めた時代までの経験をもとに、先物取引の歴史と現在の問題点について丁寧に解説した。
先物取引所の始まりは、秀吉の時代に遡り、大商人淀屋の店先に米商人が集まったことがきっかけだったという。
1697年に堂島に移った米市は、世界史的にも初の先物取引所として知られている。
その後、19世紀頃からシカゴを中心に農産物の取引が発達し、やがて銅や銀などの取引へと発展していった。

 

東京工業品取引所の誕生と現状

日本では、1984年に繊維、ゴム、金の取引を統合し、東京工業品取引所(TOCOM)が誕生した。日本の商品取引は、価格の乱高下を防ぎ、安定した商品価格を守ることを目的としているため、世界の投資家からは面白味に欠ける市場と見なされているそうだ。

個人投資家の減少と海外投資家の参入

取引高は2003年にピークを迎え、当時の取引高の7~8割を個人投資家が占めていた。しかし、強引な勧誘営業が社会問題化したことで規制が強化され、個人投資家の割合は大幅に減少。2018年では、対面経由で10%、ネット経由でも20%にまで下がっている。また、場立ちからコンピュータによるマッチングへの移行に伴い、海外投資家の参入が増加しているという。

商品取引市場活性化への課題

海外の取引所では、保険会社や年金資金運用機関などがメインプレイヤーの一角を担っているが、日本では法規制のため参入が困難な状況にある。今後は、銀行法や保険業法などの改正が必要だと指摘された。さらに、JPXとの統合、電力の上場実現、システム費用の負担軽減など、商品取引市場を活性化するための課題が山積みであることが明らかになった。

官僚との接し方のポイント

会場からの質問に対する江崎氏の回答の中で、官僚との接し方のポイントとして、完璧な提案よりも「話を聞いていただけますか?」というアプローチの方が受け入れられやすいというアドバイスには、筆者自身も経験から共感せざるを得なかった。

日本経済の現状と将来への危機感

その後の飛岡先生との対談では、両氏とも日本経済の現状と将来に危機感を抱いていることが明らかになった。状況を打開するには、何らかのショックを与えるか、とことん落ちるところまで落ちて痛い目に遭わなければならないだろう。いずれにしても、次の世代のためには、中国に負けている現実を認め、「追いつけ、追い越せ」の機運を高めること、オランダなどの小国をモデルにした経済政策を立てることなど、早急な方向転換が必要だと訴えた。

参加者たちの決意

経済大国の地位から転落しつつある日本の現状を目の当たりにし、参加者たちは仕事を通じて日本のために自分たちができることを現実的に行動に移していきたいという強い思いを抱いて会場を後にしたようだ。

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